消防士といえば男ばかりのイメージが強いかもしれませんが、女性の消防士もいます。
2014年度の全国消防職員の数は16万1,244人であり、うち女性消防職員は4,290人です。 男女雇用機会均等法が制定され、最近では女性消防士が活躍する消防本部も増えてきています。女性消防士の仕事内容についてみていきます。
消防本部により方針は違う

女性消防士の数は、消防本部によって様々です。女性職員が多い消防本部もあれば、一人もいない消防本部もあります。
基本的には、男女雇用機会均等法で女性消防職員も消防士として働く場が与えられているのですが、消防士という職務上、体力的な面や、最近の公務員人気などで非常に狭き門となっています。
消防本部の方針によっては、積極的に採用している消防本部もあります。
今は現場に出ることも多い

一昔前までは、消防活動の現場は男性ばかりでしたが、最近では現場で活躍する女性消防士も増えています。
救助現場や火災現場は、重たいものを持ったり、有毒ガスなどで女性の体に負担がかかることから極わずかな女性消防士しか今のところは活躍していません。
しかし、近年女性消防士が増えている要因のひとつとして上げられるのが「救急救命士」制度があげられます。救急救命士の資格を取得した女性が、消防士の試験を受けて合格するケースが増えています。実際、救急現場で活躍する女性消防士は増加傾向にあります。
なぜ女性消防士が救急現場で活躍するようになったのか。
それは、救急現場は力仕事はもちろん必要ですが、救急活動で大切な「接遇」の面で優れている点です。
特に最近では、消防も行政サービスの一環として市民からの目が厳しくなっているのです。
女性の患者さんからすれば、男性の救急隊員よりも、女性の救急隊員のほうが心理的に安心するのです。
また、女性特有の病気なども、男性隊員より女性隊員のほうが話しやすいのです。こうした点から、女性が救急現場で活躍するケースが増えているのです。
ただし、妊娠や育児で事務職に回ることも

女性職員が増えたことで、休暇などの配慮もされるようになりました。
とくに妊娠や育児などで休暇をとりやすいよう、各消防本部でも環境づくりに努めています。
しかし、一旦現場を離れてしまうと、ブランクがあるため日勤勤務の事務職や予防係になることもあります。現場活動に支障をきたすわけにいかないので、致し方ないことかもしれません。
また、事務職や予防係の仕事は日勤勤務なので、帰宅後に家事などができるという面でも女性消防職員が多いのかもしれません。
そして予防係の仕事では、男性にはない女性ならではの新たな視点を、消防行政に反映させることができるなど、女性消防職員への期待が高まっています。